サラリーマンの確定申告
皆さんは確定申告はお済みでしょうか。まだの方はあまり余裕がないので急ぎましょう。
(といっても、修正申告することにすれば数年余裕は伸びます)
自営業の方はともかく、サラリーマンの場合確定申告が必要となるのは限られます。
具体的には下記のとおりです。
1.住宅ローンを組んだ(初年度)
2.医療費がおおよそ10万円を超えた
3.寄付(ふるさと納税など)を行った
4.投資で年間を通して損失となったため、翌年に損失を繰り越しておきたい
5.複数の証券口座で取引をしており、損失の出た口座と利益の出た口座で損益を通算したい
1の住宅ローンは、初年度は必ず必要です。ローン残高の1%が返ってくるという大きなものですので、必ず実施しましょう。翌年からは確定申告の必要はありません。
2の医療費がおおよそ10万円を超えた場合、確定申告することで10万円を超えた額分だけ所得が少なくなります。医療費が多かった年には必ず実施しましょう。また、家族間の医療費を誰が負担するかに決まりはないので、税率の一番高い人(=所得の一番多い人)がすべての医療費を払った、として申請するのがベストです。また、医療費には交通費等も含めることができるので、きっちり計算しましょう。
3の寄付、特にふるさと納税は最近人気ですね。私も実施しています。ふるさと納税が5か所以上の場合、ワンストップ特例制度(確定申告をしなくてよくなる)を利用できないので、確定申告が必要です。また、他の理由で確定申告した場合には、ワンストップ特例制度を使っていても改めて寄付金控除の申請が必要です。
ですので、あまりワンストップ特例制度は気にせず確定申告するつもりで自由に利用するのがよいのではないか、と思います。
4の損失の繰り越しですが、これは年間を通した投資の損益がマイナスの場合、そのマイナスを繰り越しておき、その後3年間利益が出た場合その利益と相殺することで納税額を減らすことができる、というものです。大きな損失が出た場合、出しておいて損はありません。
5の損益通算ですが、これは記載のとおり、複数の証券会社間での損益を合算して、合計の損益に対して課税される、というものです。これにより、税金が少なくなるケースがあります。すべての口座で利益が出ている場合には、必要ありません。結果を見て判断しましょう。
というわけで、今回は時節柄確定申告のお話でした。
結局、平均でいい
先週は口座開設についてお話ししました。
スマホやPCを使い慣れている方なら、口座を開いてログインすれば買い方はわかると思います。
ですから、その次の「どんな商品を買えばよいか」についてお話ししたいと思います。
口座を開いてログインすると、様々な商品を買えることが分かります。
国内株式、投資信託、債券、外国株式、金、プラチナ・・・
いろいろあって迷いますが、大体の方が聞いたことがあるのは「株式、投資信託」ではないでしょうか。
これらの中でも、資産が少なくて、あまりリスクがとれない(値動きが激しくては困る)場合は、「インデックス型の投資信託」がおすすめです。
まず、国内株式は日本企業の株式を購入することで、その企業の経営状況などにより株価が変化します。最悪倒産してしまうと、投資した資金が0になってしまいます。
このためリスクが高く、ある程度知っている人、リスクを許容することができる人が手を出すべき商品と言えます。
投資信託とは、運用会社が投資家(個人投資家も含めて)からお金を集め、それを運用し運用成績によって分配金を受け取ったりすることができる「権利」のようなものです。例えばトヨタと日産の株を持つことで、仮に日産の株価が下がってもトヨタの株価が上がることでトータルではプラスになった、という運用を目指します。これができるのは沢山の投資家からお金を集め、運用資金が膨大になることで、様々な株を買えるからです。この結果、「個別の企業の株のように運よく大きく儲けることもないが、ひどくマイナスになることもあまりない」という商品となります。
詳細は省きますが、ある期間のすべての会社の株価を調査したところ、景気・不景気にかかわらず株価が上がった会社と下がった会社は半々だった、という結果があります。その場合、沢山の種類の株を買っておけば上がる株と下がる株があることで平均的な結果に落ち着きます。
「日経平均株価」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、日本の東京証券市場で売買されている株のうち、代表的な225の企業の株の株価を平均したものです。よって、日経平均株価の企業の株を同じだけ持てば、株価の合計値の動きは日経平均と同じとなります。
世界には様々なこうした「平均株価」というものがありますが、これを真似するように運用した投資信託を「インデックス型の投資信託(インデックス投信)」と呼びます。そして興味深いのは、この「インデックス投信」よりも儲けようと頑張った投資家の投資信託(「アクティブ投信」などと呼びます)の70~80%はインデックス投信を下回るという結果になっています。
こうした結果からアクティブ投信を否定するわけではありませんが、一方で素人が銘柄選定を頑張ってもしょうがない、ということもよく分かります。
それならば、ある程度良い実績のある、インデックス投信がよいでしょう。
インデックス投信には日本株、米国株、先進国株、新興国株、全世界バランス型、などありますが、選ぶのが難しいという方は、まずは全世界バランス型で、学んでから他のものも検討する、というのでもいいかと思います。
口座を作ろう、ネット証券で
いつまでも心得の話ではつまらないので、今日は実際の資産運用を進めるための話をしましょう。
と言っても、基本は簡単。「証券会社に口座を作り、株や投資信託などの金融商品を購入する」、これだけです。
ここで一つ考慮しておきたいのは、各種の手数料です。
証券会社でも、電話して人を介して注文をするような会社では手数料が高くなります。一方、ネット証券ではパソコンやスマホで自分で注文し、証券会社のコンピュータで自動で売買されるので、手数料は安くなります。
ブログを見ている方はパソコンやスマホを使える方でしょうから、ネット証券を使うことをお勧めします。
ネット証券の大手と言えば、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券などがあります。どこで口座を開設するかは、それほどおすすめはありません。好きな会社を選び、使いにくいようであれば他社に移ればいいでしょう。また、証券会社が倒産しても顧客の資産は基本的に保護されるようになっていますが、とはいえ自分のもとに返ってくるまでには時間がかかるので、安全のために2つ以上に分けて持っておく、という考え方もあります。
ちなみに私は楽天証券、マネックス証券、野村證券の口座を持っていますが、メインで使っているのは楽天証券です。これは、楽天銀行の口座を開設し、資金を融通する契約(楽天ではマネーブリッジと呼んでいます)をすると、楽天銀行から楽天証券への入金が自動でされたり、楽天銀行の普通預金の金利が0.1%と高くなったり(もっとも、今後金利は下がることが発表されています)、楽天ポイントがたまりやすくなったり、と私にとってはメリットが多かったためです。
楽天市場は使わない、という方ならSBI証券もいいかもしれません。SBI証券を使う場合は、住信SBI銀行で口座を開くと、同じようにSBI証券と住信SBI銀行での資金のやり取りがスムーズにできるようです。
口座を開けば、いよいよ金融商品の購入です。どんなものを選ぶかは、次回お話しましょう。
労力の要らない小銭は拾え、大金は苦労してでも拾え
今回は節約方法について述べたいと思います。
節約では、なんでもかんでも使うお金が減ればいい、と思っていませんか。
もちろん間違いではないのですが、その考えで続けていると疲れてしまい、続かなくなってしまうこともあります。
続けるためには、「続けるのがしんどくないやり方」が必要です。
このため、金額に応じたやり方をしましょう。
例えば大根を買おうとした時の対応です。
・2件並んだ店があり、店頭に置いてある大根がA店の方が安い→A店で買いましょう
・朝チラシでみたC店は徒歩10分かかるが、5円安かった。→歩くのを散歩として楽しめるなら行ってもいいですが、それが苦痛ならやめてA店で買いましょう。
・C店は通勤に使う駅の途中にあり、必ず帰宅時に前を通る。→大根1本持って歩くのが苦痛でなければC店で買いましょう。
このように、小さなお金の節約は、そのために労力を払う必要があるかないかで判断しましょう。
他にも
・テレビの待機電力をなくすために使ってない時はプラグを抜く→面倒なのでやめましょう
・歯磨きの時に水を出しっぱなしにせず、コップに注ぐ分だけ水を出す→栓が硬い、など面倒なことがないなら、実行しましょう。忘れても気にしない、ぐらいの気軽な気持ちでやりましょう。
・風呂を沸かすのがもったいないのでシャワーで済ます→好みで決めましょう。
・銀行の預金金利が低いA銀行からB銀行に預け替えをする→運ぶのが大変ならやめましょう。ネットで振り込んで簡単にできる、というならやりましょう。
一方、大きなお金はある程度苦労してでも節約しましょう。
・冷蔵庫を買うので、ネットで金額を比較する
・車を買うので、いくつかのディーラーに話を聞いてみる
・住宅ローンの借り換えで金利が下がり数百万返済が減るので、遠くの銀行に足を運ぶ
・スマホの料金が高かったので、設定に時間がかかったが、格安の会社に契約を変更した
メリハリをつけ、大きなお金は拾い損ねないように、小さなお金はついでに拾う、という姿勢で進めると長続きして貯められるのではないかと思います。
江戸の敵は長崎で討て!
投資を始めると、1つ1つの銘柄それぞれで利益を出そうと考えがちになります。
これは、損したくない、という意識が強くなりすぎ、それが1つ1つの銘柄それぞれに対して意識するようになるためです。
その結果、例えばソフトバンクの株を持っていたとして、その株価が下がった場合、「下がった株価でさらに買うと、平均取得価格(その銘柄を買うのに必要とした金額)が下がるから、次に上がった時に利益になりやすい」と考え、さらに買い増ししてしまうことがあります。
このような買い方を「ナンピン買い(がい)」と言います。
ソフトバンクの事業を吟味した結果将来的にまた値上がりする、と思って買うのならばそれは構わないのですが、平均取得価格を下げるためだけに買うのは「損をしたくない」という思いからくる一種の逃げであり、するべきではありません。
資産形成に重要なのは、なんでしょうか。
それは「資産全体が増えること」です。ですから、ソフトバンクが下がっても、トヨタが上がった結果資産全体が増えるのであればそれでいいのです。
江戸の敵(かたき)を長崎で討つ、という言葉があります。
これは関係のないところでやり返して気を晴らす、という意味ですが、資産形成においては有効な考え方です。
「ソフトバンクで負けたらトヨタで勝とう」という気持ちでいればいいのです。パチンコで負けたから競馬で取り返そう、というのと同じですね。
実際に乗り換えてもいいですし、そう思いながら気長に持つのでも構いません。
「ソフトバンクで取り返そう」という気持ちにならないように気を付けてください。
それでは、また。
【余談】
投資情報ではありませんが、面白い本をご紹介します。
アメリカの50州の成り立ちや特徴などをまとめた、「地図でスッと頭に入るアメリカ50州」という本です。
アメリカ50州の経済データが日本の都道府県と比較されていたり、住民の性質について触れられていたり興味深いテーマが多いです。
また、アメリカには南北戦争が大きな影響を与えていることがよく分かります。
1日1州(多くても4ページ)ずつ読むなどすれば負担なく読み進められると思います。
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節約は金額、投資は金利
FM横浜「Tresen」さんで投資に関するお話をさせてもらったところ、思ったより好評だったので、ブログを開設することにしました。
週一くらいのペースで書いていきたいと考えています。
その時に話した一つが、タイトルの言葉です。
お金を貯めていくには、節約と貯まった資産の運用(投資)のどちらも大事だと思いますが、両者は性質が異なります。
節約による貯蓄は、とにかくその金額が重要です。
100円の大根が1割引きでも10円しか貯まりませんが、10万円のエアコンが1%割引でも1000円貯まります。
ですので、得られる金額が大きいものに労力を割くのが得策です。
一方、投資では、元手の額によって利益は変わりますが、投資商品(株、投資信託、不動産、など)によって得られる利益も変わってきます。
金利とは、一般的には1年間運用することで得られる利益が元手の何%であるかを示すものです。
よって投資では、
投資の元手×金利=利益
という式が成り立ち、利益を増やすには、元手を増やすか金利を増やすか、になります。
ですが投資の元手をそうそう簡単には増やせません(そもそも簡単に増やせるなら運用自体いりません)ので、金利をいかに高めるか、が重要となってきます。
もっとも、金利が高い商品は失敗する可能性も高い、という傾向にあります。
ですから、どの程度までなら失敗してもいいか、という「リスクを見極めながら」高い金利の商品を選ぶということが大切です。またこの時、手数料も運用額に対して何%、と定められているものが多いので、手数料が少ないものを選ぶことにも注意してください。
それでは、また。
今後もよろしくお願いします。
ブログ開設の御挨拶
節約、投資による資産形成に関するブログを立ち上げることにしました。
楽しんでいただけましたら幸甚です。
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